ディスコグラフィ・Piano Collections FINAL FANTASY XIII
2010年
DATA
- ピアノコレクションズ ファイナルファンタジーXIII
[ Piano Collections FINAL FANTASY XIII ]
- 発売日: 2010/07/21
- 発売元: スクウェア・エニックス(SQEX-10196)
- 作編曲
STAFF
- 01.
- ライトニングのテーマ - 閃光
- 浜渦正志
- −
- 02.
- FINAL FANTASY XIII 〜誓い〜 - サンレス水郷
- 浜渦正志
- −
- 03.
- ドレッドノート大爆進
- 浜渦正志
- −
- 04.
- ガプラ樹林
- 浜渦正志
- −
- 05.
- 歓楽都市ノーチラス
- 浜渦正志
- −
- 06.
- ヴァニラのテーマ - 優しい思い出 - 帰郷
- 浜渦正志
- −
- 07.
- 生誕のレクイエム
- 浜渦正志
- −
- 08.
- ファングのテーマ
- 浜渦正志
- −
- 09.
- 回想 〜「スーリヤ湖」のモチーフによる〜
- 浜渦正志
- −
- 10.
- FINAL FANTASY XIII プレリュード FULL VERSION
- 浜渦正志
- −
「FFXピアコレ」以来となる浜渦さんのピアコレですが、今回は前回よりも少ない10曲の収録となっています。何故少なくなったのかは不明ですが、メドレー形式のアレンジも3曲あり、お腹いっぱいになるピアコレであることは間違い無いと思います。
選曲は直球です。同様に、アレンジも非常に直球です。前回の「ビサイド島」や「グアドサラム」等のように、原曲を分解して構成し直したアレンジは「回想」くらいで、他は原曲にほぼ忠実な構成になっています。ただ忠実と言ってもそこは浜渦さん、しっかりとお遊び/変態ちっくな展開も入れてきており、浜渦ファンにとってきっとニヤニヤが止まらないアルバムに仕上がっています(笑)
01. ライトニングのテーマ - 閃光
前半はライトニングのテーマですが、こちらは大森俊之さんのオーケストレーション版ではなく、その原曲であるPLUSの「M33 Lightning NW Version」が元になっています。元々ピアノ曲ということもあってほぼそのまま、アルバム1曲目に相応しい奇を衒わない直球アレンジです。後半は「閃光」で、原曲は様々な楽器が細かな効果を引き出している曲なので、ピアノ一台でどうなるかと思いましたが…さすが浜渦さんとクロアキさんのコンビ! どこからどう聴いても「閃光」でした。
02. FINAL FANTASY XIII 〜誓い〜 - サンレス水郷
FFXIIIのテーマ曲のモチーフ繋がりの二曲です。前半はしっとり、且つドラマチックに。後半は原曲がアップテンポな曲ですが、今回は「誓い」の勢いのまま、静かに盛り上がっていきます。一筋縄ではいきそうにない細かな音符が…とても弾きにくそうです…。
03. ドレッドノート大爆進
原曲に忠実…と見せかけて、多分一番壊しているアレンジだと思います。ところどころに顔を覗かせる変態的な和音がたまりません。それにしても、なぜ曲名から「!」が消えたのでしょうか?
04. ガプラ樹林
激しいドレッドノートとノーチラスを繋ぐ、静かなアレンジです。ずっと同じような展開が続くと思いきや、突然現れるフレーズに驚かされたりもします。そんな感じで、気が付いたら曲が終わっています。魔法みたいなアレンジです。
05. 歓楽都市ノーチラス
今回「生誕のレクイエム」と並ぶ大曲です。原曲のオーケストレーションは平野義久さんですが、ほぼそのままの構成です。恐らく浜渦さんによる打ち込み版とほぼ変わらない編曲だったのでしょうね。ワルシャワフィルの迫力をそのままピアノで表現し切った黒田さんの素晴らしい演奏が、浜渦さんの譜面の持つパワーを更に引き立てています。
06. ヴァニラのテーマ - 優しい思い出 - 帰郷
ヴァニラの一連のアレンジです。構成的には前回の「Ending Theme」に近いかもしれません。こういったストーリー性のあるメドレーって、これまでのピアコレには無かったと思います。こういう曲って弾いてて凄く楽しいんですよね。曲と曲の繋ぎ目が美しいです…。
07. 生誕のレクイエム
本作一番の大曲です。浜渦ファンとしてはこういう曲にはどこか「決戦」の匂いを追い求めてしまいますが、明らかに踏襲しつつ、でも前回とはまた別のベクトルから“ラスボス”を描いたアレンジになっています。これも原曲よりはプロトタイプ寄りのアレンジですね。
08. ファングのテーマ
プロトタイプのアレンジです。どこかモッサリした感じの原曲とはちょっと距離を置いた、「襲撃2」という仮タイトルに相応しい激しいアレンジになっています。浜渦さんも「黒田さんがこの曲の第一音を鳴らした時は大変な興奮を覚え」と解説に書かれていますが、もう全部がリスナーの心を鷲掴みにするような、非常に迫力のあるアレンジ&演奏です。これ生で聴いたらカッコイイだろうなあ…!
09. 回想 〜「スーリヤ湖」のモチーフによる〜
個人的に一番お気に入りの曲がこれです。その他9曲とは異なり、これは「スーリヤ湖」のモチーフを基にした新曲です。「FFXピアコレ」の時はこういった新曲風アレンジも多くあったのですが、今回はこの一曲だけということもあって、色々なものが込められているような感じがします。「Vielen Dank」の第二弾があればこういう曲が入ってそう。浜渦さんの持ち味全開!という感じ。「気怠げ」な感じもスキ。
10. FINAL FANTASY XIII プレリュード FULL VERSION
アルバムの〆は勿論この曲! 原曲通り、「A→D→C→H→A→E→C→D」の“足音のモチーフ”から始まって、ヴァニラのテーマでも見られるサビが徐々に静かに盛り上げて、最後は再び“足音のモチーフ”で締め括ります。浜渦さんがFFXIIIを担当すると聞いた時、「SF2」や「FFX」、「アンサガ」のような曲がまた聴ける!と喜んだファンも多かったと思うのですが、ゲームに合ってこそのゲーム音楽なわけで、別ゲームを想像させる「〜〜っぽい曲」は本来あるはずがないのですよね。過去の浜渦さんの作品のどれとも違うFFXIIIの音楽を聴いて、浜渦さんの演出、作編曲、手法等々に改めてファンになりました。今後のご活躍にも期待します!