FINAL FANTASY XIII
2009年12月17日に発売されたシリーズ13作目。プラットフォームをPS3に移した本作は、天空に浮かぶ世界・コクーンとその下に広がる異境大陸グラン=パルスが舞台。FFシリーズらしいハイクオリティのグラフィックが特徴。「ファブラ・ノヴァ・クリスタリス」シリーズの一作品であり、『ヴェルサスXIII』『零式』とは元となる神話が共通している。作曲の担当は本作が浜渦さん、ヴェルサスXIIIが下村陽子さん、零式が石元丈晴さん。
平野義久
作編曲家。和歌山県出身。アニメ「DEATH NOTE」、「爆転シュート ベイブレード」等の作曲の他、ALI PROJECTのオーケストレーションも手掛ける。浜渦さんとのコンビはダージュオブケルベロスに続いて2回目。
大森俊之
作編曲家。「魂のルフラン」(高橋洋子)、「Heal My Heart」(増田いずみ)などのプロデュースの他、「関口宏の東京フレンドパークII」やアニメ「シャーマンキング」など、様々なシーンの音楽を担当。
田部井とおる
シンガーソングライター。ギタリスト。浜渦さんの東京芸術大学音楽学部声楽科時代の同期。氏とは在学中に「オリジン」というフュージョンバンドを結成していた。過去にFFVII、FFVIIIではテナーを、また浜渦さんの作品では『アンリミテッド:サガ』『武蔵伝II』『feel』でアコースティックギターの演奏を担当。バイオリニスト弦一徹氏とのユニット「ベイたぶい兄」としても活動中。
フランシス・マヤ
歌手。父はイギリス人、母は日本人。1979年生まれ。幼少時代に浜渦さんの父・章盛が主催するローゼンビート少年少女合唱団に所属。現在はライブハウス等で活動中。ゲーム音楽では過去に『GuitarFreaks V6&DrumManiaV6 BLAZING!!!!』や『pop'n music 13』などに参加している。
Mina
歌手。北海道生まれ。アイヌのパフォーマンスグループ「AINU REBELS」元リーダー。浜渦さんが作編曲を行ったAINU REBELS名義の「e=katuhu pirka」の作詞・ボーカルも担当した。現在はソロアーティストとして活動中。
濱渦真津恵
歌手。旧姓福島。浜渦さんの奥様で、氏の東京藝術大学音楽学部声楽科時代の同期。ゲーム音楽では過去にFFVII「片翼の天使」、FFVIII「Liberi Fatali」などでソプラノを務めた。『シグマ・ハーモニクス』ではスキャットも担当。現在は紫苑の会のコンサート等に出演している。
ワルシャワフィルハーモニー
ポーランドのオーケストラ。正式名称はワルシャワ国立フィルハーモニー管弦楽団。1901年設立。戦場のピアニスト、バトル・ロワイヤル、風林火山、北の国から、蒼穹のファフナー、マクロスF、エースコンバット5、ファンタシースターユニバースなど、日本でも馴染み深い作品に参加している。
ブレイズエッジ(M1-05)
打ち込みで出来上がっている曲にオーケストラをかぶせた重厚な中ボスバトル曲。ハープとピアノの変態フレーズから始まり、中盤では弦があっちこっちに絡み合い、終盤には危機感を煽るコードが連続する。ゲームを始めて一番最初に鳴る戦闘曲だけあって、かなり力が入っている印象。
スノウのテーマ(M1-11)
浜渦さんにしては珍しくオーソドックスなバンド編成曲。重々しくカッコ良いメロディが印象的。ギターの演奏は「THE BLACK MAGES」の関戸剛さん。『オールスタープロレスリング』を彷彿とさせるギタープレイです。次回のライブはいつですか?
ドレッドノート大爆進!(M2-12)
『武蔵伝II』のような楽器編成に『サガフロ2』のようなピアノのフレーズ。一聴するだけで浜渦さんだ!と分かるはずです。
サンレス水郷(M2-16)
あまりにも意外な、いかにも大衆受けしそうなストレートなハウス。「誓い」のアレンジですが、想像を絶する破壊っぷりです。
コクーンdeチョコボ
〜夢をみようよII〜(M3-10)
タイトルが表す通り、『チョコボの不思議なダンジョン』の「夢をみようよ」のアレンジです。なんとボーカル入り!チョコボのテーマに歌が付いた曲はこれが初めてだと思います(FFXでNPCが歌ってましたけど)。チョコボらしいかわいらしい歌詞です。フランシス・マヤさんの歌声は俗に言う「ケロり」処理されています。パフュームっぽい。
死闘(M3-20)
シンセのストリングスとパーカスが細かく暴れまくる、仲野さん節全開なバトル曲。デュープリズムの「最後の戦い2」とかアナザーマインドの「自我増幅」の延長線上にあるような曲。浜渦さんのデモも聴いてみたいですが、この曲はしっかりと「仲野曲」に仕上がっています。
Choose to Fight(M3-22)
浜渦さんご自身が「自分らしい」と語るのがこの曲。ギター、ベース、ピアノ、ティンパニ、生ヴァイオリン、生チェロ、そしてMinaさんのボーカルと、まさに浜渦ファンのためのような構成です。閃光のような曲がある一方で、こういった「らしさ」の詰まった曲も許容出来るのがファイナルファンタジーなのですよね。
終焉の揺籃(M4-13)
この曲を聴くと映画「ソラリス」の、死んだ妻と宇宙船の中で邂逅するシーンを何故か思い出します。心地良くふわふわ漂っているイメージ。
降誕(M4-14)
ボス曲でコーラスというのはゲームではさほど珍しくなくなりましたが、念を押すように繰り返されるフレーズとワルシャワフィルコーラスの説得力が合わさって、圧巻です。極めつけはループ直前のテナーソロ。生で聴きたいです。是非コンサートを!