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IMERUAT Departure to Black Ocean @TOKYO
IMERUAT Departure to Black Ocean @TOKYO
日時:2012年7月15日(日)18時〜21時
於:STAR PINE'S CAFE(東京都武蔵野市吉祥寺)
出演:浜渦正志さん(Pf)、Minaさん(Vo/Tonkori/Mukkur)、田部井とおるさん(Gt)、
桑野聖さん(Vn)、竹本一匹さん(Perc)、鈴木光人さん(Syn)

 KIWA、伊丹、ファンタジーロックフェス2012に続き、日本では4回目となるIMERUATのライブが吉祥寺にて行われました。近頃ライブレポートサボり気味のわたくしも行って参りましたので、遅くなりましたが以下にレポート(という名の日記)をお届けいたします!
(編注:例によって筆者はライブ中の3時間、ほぼトリップ状態でした。そのため個々の曲についての記述は殆どありません。ごめんなさい!)

入口の看板

 私は事前にネットで予約番号のみ発行してもらい、当日引き換え開始直後にチケットを購入したのですが、その時点で既に整理番号が91番に達していました。その後も続々と引き換え組・当日券組が来られたようで、最終的には整理番号が250番ほどまで発行されていました。さすが東京です。
 今回の会場のSTAR PINE'S CAFEはJR吉祥寺駅から徒歩10分、駅からほぼ真っ直ぐ、しかもヨドバシカメラのすぐ隣という好立地。ライブハウス内は綺麗に整頓されており、それでいてライブハウス特有の雑多な雰囲気もあり。天井も高く、希望者は2階席からの観覧も可能な素敵な会場です。
 入ってすぐのフロアにはサンライズ音楽出版の吉井孝幸社長の贈花が飾られていました。おお旬だ…!

 物販の内容は以下の通りです。来週の大阪ライブもほぼ同じ内容と思います。

物販
・パンフレット
・ムックリ(ファンタジーロックフェス2012会場で売られていたものと同じ)
・ムックリケース(布で出来た可愛らしいケース。全4色)
・ステッカー(浜渦さんのイラスト入り。全5種類)
・Tシャツ(全4種類……だったかな?)
・マキシシングル「IMERUAT」
・アルバム「Black Ocean」
・IMERUATオリジナルバッグ(3個限定販売。速攻売り切れてました)

 今回は人数が多いのでオールスタンディングです。私は物販の列に時間を掛けすぎて、客席脇の通路の最前列という実に中途半端な場所に陣取ることに。柱に隠れてステージが半分ほどしか見えない切ない位置です。浜渦さん、鈴木さんはほぼ全く見えませんでした。涙。
 VJはファンタジーロックフェス2012に引き続きスギモトトモユキさんです。チームIMERUAT勢揃いですね。

 予定の時間から15分ほど遅れてスタート。やはり一曲目は「IMERUAT」でした。ほぼ原曲通りの構成ですが、生の桑野さんヴァイオリンの計り知れない存在感に目が釘付けでした。Ustreamのリハ中継ではとても物腰柔らかでしたが、演奏中の桑野さんの激しさといったら…!足で刻むビート、激しく美しいビブラート、躍動する身体。格好良すぎてずーっと見ておりました。
 インターバル無しで続く2曲目は「6Muk」。今回はムックリ講座があるので予習としてMinaさんの演奏に注目していましたが、うーん。ここまで上手くなるにはどれだけの練習が必要なんでしょうね。竹に切れ目が入っただけに見える単純な楽器なのに、奥深いです。

 MCはメンバー紹介。

竹本一匹さん(Perc)
Mina「竹本さんはいつも明るくて……IMERUATの、ええと、ええと、なんだっけ」
竹本「自分で言うのもなんだけど、言いたいのはムードメーカーとかそんなの?(笑)」
Mina「それ!それ!」
会場爆笑。
Mina「メールとかでも、いつも一人で盛り上がってくれて……」
竹本「ひ、一人で!?」
会場大爆笑。

田部井とおるさん(Gt)
Mina「田部井さんはIMERUATの初期から参加して下さっていて、欠かせない人です!」
田部井「…………(笑)」
Mina「あれ?え?」
田部井「インタビュー的に来るのかと思ったら、“です!”って終わられちゃった……」
会場爆笑。
Mina「IMERUATに参加してみて、どうですか?」
田部井「ギターを弾ける機会を与えてくれて、感謝しています!(笑)」
竹本「そうなるよな(笑)」

桑野聖さん(Vn)
Mina「桑野さんは浜渦さんとは長いお付き合いで……」
浜渦「10年くらい前からですね」
桑野「そうですね」
Mina「10年前は、まさかこんなことになると思っておられました?」
浜渦「こんなことって……(笑)」
会場爆笑。

鈴木光人さん(Syn)
浜渦「みっちゃん(鈴木さんのことをこう呼ばれていました)とはシグマが最初やったっけ」
鈴木「そうですね。入社してすぐシグマでした」
浜渦「今日のライブも彼がいなければ音スカスカになります(笑)」

 3曲目は「Little Me」。MCの暖かい雰囲気のまま、でも演奏は緩まず田部井さんのアコースティックギターがしっとり会場を支配します。私の位置からは全く浜渦さんが見えないのですが、ギターとMinaさんのボーカルに合いの手を入れるピアノが鳴る度に心の中で「浜渦さーん!」とシャウトしておりました。実際にやったら明らかに変人なのでじっと我慢。
 続いて4曲目は「Leave me alone」。何故か「ご、ろく、しち、はち」で曲が終了、その後はばっさりカットされていました。原曲はそこからすぐフェードアウトするのですが、ライブだと難しいのでしょうかね。
 可愛らしい曲を……という紹介の後、演奏された5曲目は「Morning Plate」。IMERUATの曲は割とヒネった曲が多いですが、これはビックリするほど可愛くキャッチーなメロディです。アコースティックな“カワイイ”曲が意外にも3つ続きましたが、ということは後半は恐ろしいセットリストになるのがここで確定。

 続くMCはMinaさんのムックリ講座。今回のライブのチケット料金にはムックリ代も含まれていて、入場の時に全員に配られていたのです。まずはお手本を……ということでMinaさんがムックリを演奏し始めたのですが、そこに「6Muk」のイントロを被せる鈴木さん。「今は演奏を聴いて欲しいので……」とMinaさんに怒られる鈴木さん。「だって被せたくなるじゃん……」と鈴木さん。ちょっと分かります。
 一人で練習しても全く鳴らなかったのですが、Minaさんの講座を聞いて少しだけ鳴るようになりました。ポイントは「左手は頬にくっつけて固定する」「右手は力任せに弾くのではなく、軽くノックをするように」とのこと。息を吸ったり吐きながら鳴らすだけで音が変わるのが面白い! Minaさんは他にも「宇宙人」や「馬がパカパカ走る」音などを披露されていました。上手過ぎる…!
 一通りの講座が終わった後、メンバー全員が一人ずつムックリを鳴らすことになりましたが、竹本さんはムックリを口に当てたもの鳴らさず声で音真似、田部井さんは1/5の確率で鳴り、桑野さんは「左手が痛い……」と辞退、鈴木さんは器用に鳴らしてみせ、浜渦さんは流石バシッと決められていましたがMinaさんに「大きい音出せばいいってもんじゃない……」とツッコミを入れられていました(笑)。
 最後に会場全員で6Mukに合わせムックリの大合奏。これ世界的にも珍しいんじゃないでしょうか。200人以上のオーディエンスが全員でムックリを演奏する光景は、客席からでもなかなか見られるものではないです。

 前半最後の曲はアーケードゲーム「ミュージックガンガン!2」に浜渦さんが提供された楽曲「Shooting Star」。サントラが発売されておらず、配信もされていない曲のためゲームセンターでしか聴くことが出来ないのですが、ここで披露となりました。印象的なフレーズを軸にMinaさんの歌声が乗るテクノなナンバーです。ゲーム映像に合わせて銃を撃つMinaさんの振り付けも良かった!

 休憩前にMC。物販の紹介でしたが、その時点で売り切れとなっているものが多く……。今回の目玉は数量限定(3個!)のIMERUATオリジナルバッグでしたが、即売り切れだったようです。シカゴのイベントのために現地で製作したものらしく、再度作ろうとしたものの送料が高く諦めたとか。でも、多少高くなっても、皆さん欲しいですよね……?
 休憩は20分。地面に座り込む方がちらほら見受けられました。私も座って一人ひっそりムックリを練習していました。鳴らぬ。

 二部最初の曲は「Haru no Kasumi」。KIWAのライブと同じく、今回もカメラと三脚を抱えたMinaさんの一人パフォーマンス。KIWAの時は気付きませんでしたが、このパフォーマンスはもしかしたら春の霞に誘われてカメラを持ってお出掛け……的なお芝居なのでしょうか。色々と解釈が出来そうなこの独特な空間は決して他の曲では現れません。IMERUATライブを引き締める、とてもいい演出だと思います。
 Minaさん一人のまま、続く後半2曲目は「Left」。この曲の背景は既にUstreamで明かされていましたが、受話器を持ったMinaさんのパフォーマンスとバックの字幕付き映像によりそれがハッキリと明示されました。IMERUATは「アイヌ語」や「アイヌ民族楽器」をあくまで表現手法の一つとして用いていますが、この曲だけは例外的にMinaさんの体験談を元に、危うい問題を真正面から扱っています。ちょっとだけ英語ボイスの方の登場に期待しましたが、やはりそれはありませんでした(笑)。
 続いて「Giant」。これ大好きなのです。ちょこちょこ跳ね回るミニマルなピアノや力強いストリングスに、どうしてもSF2が浮かぶんです。まさかライブで聴けると思ってなかったので、嬉しかった……!
 後半4曲目は「Battaki」。手拍子で盛り上がるライブ恒例曲ですが、なんだかステージ上が「アレ?」な雰囲気。その「アレ?」な雰囲気のまま、演奏者、観客全員が頭にクエスチョンマークを浮かべたまま何となく演奏終了。その理由はアンコールで明かされます。

 今回はIMERUATの持ち曲以外にもいくつか浜渦さんの他作品からの演奏があり、後半5曲目のFFXIII「ガプラ樹林」もその一つでした。まさかこの楽器構成でこれが来るとは思ってなかったので、演奏が始まっても信じられずに暫く曲名が浮かばなかったという失態(笑)。いかんですね、PS3買ってFFXIIIやらないと……。
 後半6曲目はなんとなんと新曲。前情報が無い、嬉しいサプライズ。竹本さんが「ステージなんて狭すぎるゼ!」な勢いで暴れ回り、桑野さんが不思議なフレーズを終始奏で続ける前衛寄りな新境地開拓曲でした。これ3枚目のCDに入るのでしょうか。そういえば浜渦さんが先日桑野さんとレコーディングをされたようなことを仰っていたような……。期待です。

 MCは今が旬、浜渦さんファンを寝不足にさせるアニメ「貧乏神が!」について。原作の最新刊には浜渦さんが登場されています、という紹介(本当に登場されています!)の後、演奏されたのは主人公・桜市子のモチーフを使ったボサノバ風の曲。アニメ本編ではまだ流れていませんが、TSUTAYA限定レンタルCDのドラマパートでちらっと流れている曲です。軽快にメロディを弾く浜渦さんのピアノに(姿が見えないので)聴き惚れていました。メインテーマだけに、これ以外にも色々とアレンジがありそうですね。サントラ発売も期待しております、サンライズさん……!

 浜渦さんの「次の曲はギターがどうしても入れられないんです」という前フリがあり、田部井さんが浜渦さんの隣に座り連弾の構え。浜渦さん曰く、「普通男の親友だったら、何か嬉しいことがあったらノリで抱きついたりするけど、僕ら一切そういうことないんです。だからこの連弾の距離が気持ち悪い(笑)」。
 というわけで、後半8曲目は浜渦さん&田部井さん連弾による「Yaysama」。歌詞は毎回ライブ会場によって変えているそうなのですが、今回は2番の歌詞が決まっておらず、ほぼMinaさんのアドリブでした。それでもしっかりライブハウスの名前を混ぜ込むあたり、流石です!

 ラストは3曲続けて。まずはアルバム表題曲「Black Ocean」。原曲も一拍目に全ての楽器が集中する特徴的な構成ですが、ライブではそこに桑野ヴァイオリンと竹本パーカス、田部井ギターが重なりえらいことになっていました。「IMERUAT」が“これがIMERUATだ!”な曲なら、「Black Ocean」はIMERUATの新しい方向性を示した曲と言えると思います。東京ライブ、大阪ライブの後、IMERUATはこのメンバーのまま海外のライブツアーに出られますが、どんな進化を遂げて帰って来られるのか楽しみすぎます。しかし田部井さんのサビでの暴れっぷりが凄かった……!
 続いて「閃光2012」。FRF2012で披露されたものとほぼ同じバージョンでしたが、会場が前回(クラブチッタ)よりも狭いこともあって、音ががんがん身体に染みます。桑野さんのヴァイオリンは勿論ですが、Minaさんのボーカルの旋律も一番気持ちいい琴線を突いてくるんです。このバージョンで何かのCDに収録されたら嬉しいんですけど、けど!
 閃光の後は勿論「Choose to Fight」。激しく展開しつつも個々の旋律はそれほど動き回らない曲ですが、ビブラートをたっぷり効かせた桑野ヴァイオリンが恐ろしい存在感を放っていました。

 ここで全員退場しましたが、当然すぐにアンコールが始まります。IMERUATかFFXIIIの他の曲、あるいは貧乏神からもう一曲……と予想していましたが、アンコール一曲目はあまりにも以外な「Spring」。選曲の際、「アンコールの拍手で盛り上がった後にこれやったらウケるんじゃない?」と一発で決まったそう。実にIMERUATらしい選曲です。原曲のヴァイオリンは浜渦さんの娘さんが弾かれていましたが、流石に今回は桑野さんでした。
 続いてアンコール2曲目ですが、何を演奏するか決まっていなかったらしく、MinaさんがMCをしている間に浜渦さんと田部井さんがステージ上で相談していました。このあたりのユルい感じがなんかとても良いです。客席からはほっこり暖かい笑いが。
 選ばれたのは「Battaki」。実は一回目の演奏の時にとあるメンバーが入りを間違えてしまっており、是非リベンジをしたいとのことでした。ご本人の名誉のためにお名前は伏せておきます(笑)。アンコールバージョンではバッチリ決められていましたよ。
 アンコール3曲目、本当に最後の曲は「Black Ocean」。一回目と比べて若干激しめなアレンジです。イントロで竹本さんが鳴らしている「ウォォォン……」というアラーム音のような楽器、何というのでしょうか。航海に出る船への激励でもあり、警告でもあるような、いい演出ですよね。

 当初は2時間との告知でしたが、終わってみれば3時間近くが経過しており、かなり押しでサイン会に雪崩れ込みました。今回は物販で買ったものでなくても、何にでも頂けるようです。私はガンハザードのサントラのブックレットに頂きました。浜渦さんが「おっ!」と反応されていたのが印象的でした……!
 今回はIMERUATの持ち曲のみならず、「ミュージックガンガン!2」や「貧乏神が!」、「ファイナルファンタジーXIII」からも選曲される、非常にバラエティに富んだセットリストでした。が、この6名のメンバーのフィルターを通すと、どの曲もIMERUATらしい、とても温かみのある曲に昇華するのですよね。浜渦さんの原曲も勿論大好きですが、IMERUATはこのメンバーのまま、どこまでも突き進んで欲しいと願います。

 ライブ後、mixiの浜渦コミュの方々と朝まで飲み、始発の新幹線で帰ったのでした。来週は大阪です!

セットリスト
01. Imeruat
02. 6Muk
03. Little Me
04. Leave me alone
05. Morning Plate
06. Shooting Star(ミュージックガンガン2)
07. Haru no Kasumi
08. Left
09. Giant
10. Battaki
11. ガプラ樹林(ファイナルファンタジーXIII)
12. 新曲
13. 市子のテーマ・ボサノバVer(貧乏神が!)
14. Yaysama
15. Black Ocean
16. 閃光(ファイナルファンタジーXIII)
17. Choose to Fight(ファイナルファンタジーXIII)
18. Spring
19. Battaki
20. Black Ocean

戦利品

 ライブ終了後、会場の外でスクウェア・エニックスの水田直志さんにばったり遭遇しました。FFXIは長年獣使いで遊んでいるので、感激していきなり話しかけてしまいました。握手までして頂き、ありがとうございました……!

(2012年7月18日 記)

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