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IMERUAT first live in Tokyo
IMERUAT first live in Tokyo
日時:2011年7月31日(日)18時〜19時30分
於:二子玉川 KIWA(東京都世田谷区)
出演:浜渦正志さん(Pf/Computer)、Minaさん(Vo/Tonkori/Mukkur)、田部井とおるさん(Gt)

* IMERUAT(イメルア)とは…
浜渦さんとMinaさんによって2010年末に結成。アイヌ音楽の様々な表現を追求するユニット。

 小雨降りしきる中、東京は二子玉川にてIMERUATのライブが開催されました。勿論私も参加して参りましたので、例によって以下にレポートを書き殴りたいと思います。
 今年の5月にパリとポーランドでデビューライブを行った実績を引っ提げての凱旋ライブということになります。公式サイトやtwitterでちょろっと告知があっただけでしたが、チケットはほぼ完売。日本では初めてのお披露目となるIMERUAT、どのようなパフォーマンスを見せてくれるのでしょうか…!?
(編注:筆者はライブ中の1時間半、ほぼトリップ状態でした。そのため個々の曲についての記述は殆どありません。雰囲気だけでも感じて頂ければ幸いです)

入口の看板

 開場は17時。入場は整理番号順です。運良く1番をゲット出来ていたため、最前列のピアノ前の席を確保出来ました(スミマセン…)。ステージには向かって左側にピアノとMacBook、中央にボーカル用マイクとトンコリ、右側にアコースティックギター2本とエレキギター1本が置かれています。田部井さんギター3本も使うの!?
 近くの席の方とお話しをしながら待つこと1時間、会場のBGMが明らかに浜渦さん風の曲(多分未発表のだと思います)に変わりました。印象的だったのが、それまではざわついていた会場が、この「明らかに浜渦さん風の曲」が鳴り始めた瞬間に急速に静かになっていったこと。その空気感。なんだか、ものすごく一体感を感じました。これが生のライブの良さなのですね。

 更にBGMが「Harunokasumi」に代わり、まずステージに登場したのはMinaさん。何故かカメラと三脚を抱えています。会場に向かって「笑って!」とジェスチャーを飛ばし、会場を撮影し始めました。最後にはタイマーをセットして自分を撮影。そしてBGMが終了。実にシュールな数分間でした(笑)。

 続いて浜渦さんと田部井さんが登壇。そのまま演奏が始まりました。2曲立て続けでの演奏でしたが、そのどちらもが「これがIMERUATだ!」という力強いメッセージが込められたかのような、過去の浜渦さんのゲーム曲とはまた違った印象の曲。ただ本当のことを書きますと、動く浜渦さん&Minaさん&田部井さんに見とれてしまってあまり曲が頭に入ってこず…。これがファンのサガでしょうか…!
 演奏が終わり、Minaさんが挨拶。が、その後が続かず、Mac操作中の浜渦さんから小声で「繋いで繋いで!」と言われ、会場からほっこり笑いが漏れていました。

 1、2曲目は生演奏のみでしたが、3曲目はオケを使った長めの曲。Minaさんはここでムックリを演奏されていました。武蔵伝IIの「神獣の村」やFF13の「テージンタワー」で、浜渦さんファンにはもはやお馴染みの楽器ですね。構造はシンプルに見える楽器ですが、じっくり聴いてみると様々な表現が出来ることに驚愕。割と色々なところで買えるようなので(探してみたらAmazonにもありました!)、次回ライブにはファン皆さんムックリを持参して参加されるのもイイかもしれません。
 3曲目終了後、1回目のMC。

IMERUATについて(以下MCは敬称略)
Mina「結成したのは…」
浜渦「今年の始めでしたか」
Mina「去年からあったような気がしますが…(笑)」
浜渦「結成したのは去年で、本格的に活動を始めたのが今年ですね」
Mina「ひょんなことから知り合ったんですよね」
浜渦「最初はMinaが参加していたユニット(編注:AINU REBELSですね)のお手伝いとかをしていたんですが、歌声聞いて『自分の曲に合いそうだなあ』と。で、FF13で1曲歌ってもらうことになって。気づいたら最終的に5曲くらいやってましたね」

田部井さん紹介
田部井「僕喋っていいんですか?(笑)」
浜渦「僕とMinaじゃグダグダになるんで、緩衝剤としてお願いします(笑)。皆さんご存知かもしれませんが、彼にはアンリミテッド:サガ、武蔵伝II、FF13でギターを弾いてもらっています。僕が『こうしてほしい』って思った通りに弾いてくれるんで、非常に助かっています」
田部井「お世話になってます(笑)」
Mina「この二人、IMERUATの練習中に延々ボケ合うんですよ…」

浜渦さんのファンは重い!?
浜渦「あのー、わりと業界の人に『浜渦のファンって重いよね』って言われるんですよ」
会場笑い
浜渦「別の作曲家のイベントの翌日に僕のイベントがあると、明らかに客層が違うって。なので今日は皆さん、必要以上に笑ったりしてください」
会場爆笑

 MCの最後にMinaさんが「ここで二人に演奏してもらいましょう」と言い残し、退席。残された二人が弾き始めたのはなんとFF13の『ヤシャス山』! しかもオケ無しの、ピアノ一台とギター一本による完全生演奏です。大人の世界の事情、主に権利とか権利とか権利とか…でIMERUAT以外の曲の演奏は無いだろうなぁ…と予想していただけに、これは本当にサプライズでした。
 演奏終了後、二人のMC。

ミスではありません
浜渦「ゴメン、思いっきり二箇所くらいミスりました」
田部井「ミスったっけ?」
浜渦「みんな知ってる曲はどこ間違ったかバレるのでやりにくい(笑)」
田部井「これ原曲はもっとバンドとか入ってるんですよね。今回は僕とはま二人のアレンジなんで、間違ったとしても大丈夫です。僕とはまがアレンジするとこの曲はこういう風になるんです!」
会場爆笑
田部井「何話すんだったっけ?」
浜渦「メモには『BGM流しながら話す』としか書いてへん(笑)。まーまー適当に喋りましょう」

二人のなれそめ
浜渦「僕らは東京芸術大学の同期なんですが、入学した同期が不純でした」
田部井「うん、まあそうですね(笑)」
浜渦「僕は中学高校の頃からゲーム音楽がやりたくて、でも楽器とか弾けなかった。ただ親が声楽やっていて、声楽って声変わりしてからはじめても全然大丈夫なので、それで入学した。で、彼はギターずっと弾いてたんですけど、東京芸大にはギター科ってないんですよね。なので声楽科に入学した」
田部井「僕最初はまに嫌われてたよね、一ヶ月くらい」
浜渦「そうそう、『何こいつギターばっか弾いとんねん』って。僕は半年くらいは楽しんで歌ってたんですけど、やっぱり曲書いてる方が楽しいなあと。そこで改めて周りを見渡してみたら、田部井君がいた(笑)。それからすっごい仲良くなって、フュージョンバンドとかも組んだりしてました」
田部井「なので、今こうやってはまと二人でステージに立つってことが…」
浜渦「感無量ですよね」

BGMについて
浜渦「BGM流しつつ喋るって、めちゃめちゃやりづらいなぁ(笑)」
田部井「僕らもうこの曲知ってるんで、曲追っかけちゃうんですよね。フンフンフーンって」
浜渦「曲が終わるタイミングで話が止まっちゃうんよね。ほらまた止まった(笑)」
田部井「なので皆さん、今日は『音楽はBGMにしてはいけない』ということを覚えて帰って下さい」
会場笑い
*この時BGMで浜渦さんの新曲が流されていました。“そのうち配信とか出来たらいいな〜”と仰っていたので、期待しましょう!

IMERUATの練習について
浜渦「もうちょい練習せなあかんなって思って、田部井君が泊まり込みに来たことがあったんですよ。で、寝る前にバッハとかモーツァルトなんかのオモロい曲聞いて笑おうかってことになって。マタイ受難曲とか聞きながら『ここの副旋律笑えるなー』とか言ってたら、午前8時になってたこともありました。勿論練習は出来ませんでした(笑)」

田部井さんの武勇伝(あまりに危険なネタのため伏字使用ご容赦願います)
浜渦「これ言っていいんかなあー…」
田部井「いいよいいよ(笑)」
浜渦「僕がまだスクウェアに入ったばっかりの頃、とある大先生の曲を歌う機会がありまして」
田部井「(頭を抱えている)」
浜渦「『僕がメンバー集めてきます!』とか言ったんかな。田部井君達とコーラスをやることになった。レコーディング中にエンジニアさんが『空調寒くないですかー?』って聞いたんですね。そしたら田部井君が『××××!×××××××!』って」
会場大爆笑
浜渦「周りがシーンとなって。誰も笑わず拾わず。あれはボケだったんよね」
田部井「ボケです! でも周りがものすごい引いてるの見て、『あーもうはまとは仕事出来ないな』と(笑)」
浜渦「あんま覚えてないけど、僕めっちゃキレたらしいな。もうあいつとは仕事せん!って(笑)」

 MC終了後、5曲目はMinaさんのソロで「Cirotto」。曲名は“チロット”と読み、鳥のいる沼?という意味だそうです。トンコリの生演奏は初めて見たのですが、持ち方が独特なのですね。バックでオケが鳴りつつの演奏でしたが、トンコリの音色が凄まじく綺麗で…。コブシの効いたMinaさんの歌声も相まって、ここで何度目か分からないトリップ状態に達しました。いやホント危ない。

 続いて6曲目。なんと浜渦さんと田部井さんの連弾! Minaさんの歌う歌詞もこれまた今までのIMERUATのイメージをいい意味で壊す、とてもかわいらしい日本語の歌詞でした。

おじさん二人
浜渦「黒田亜樹さんにこの前『連弾してみる?』って提案したことがあったんですけど、『おじさんとおばさんが並んで弾くのは絵的にまずいんじゃないか』って言われたんです」
Mina「今はおじさんが二人並んで座っていますが(笑)」
田部井「もっとヤバイ絵ですよね(笑)」
浜渦「これ出来立てホヤホヤの曲です。一週間前に出来ました。スコア送ったのは三日前です。歌詞は今朝出来ました」
会場笑い

 続いて7曲目、8曲目を続けて演奏。申し訳無いのですが、どんな曲だったかあまり覚えていません。何故なら再び浜渦さん&Minaさん&田部井さんに見とれていたので…!
 分かって頂ける方がいれば嬉しいのですが、大好きな音楽を作る人がいて、ずっと長いことその人の音楽を聴いていて、その人が目の前で演奏している姿を初めて見た日には、もう緊張やら感動やら何やらで「曲を聴くこと」と「目の前の光景を見ること」が同時に出来なってしまうのです。こんなレポートでごめんなさい…!

 最後の曲は「IMERUAT」。Cirottoと同じく既に配信されている楽曲なので、流石に落ち着いて曲を聴けました(笑)。Minaさんはボーカルとトンコリ演奏のハイブリッド仕様。田部井さんはここでエレキギターに持ち替えて演奏されていました。個人的にはこの曲のサビが大好きです。『天翔ける翼』のような、ボーカル個人のために作られたメロディなような気がして、聴いていて何か落ち着けるのですよね。三人ともとても楽しそうに演奏されているのがとても印象的でした。
 “最後の曲”なので盛大な拍手とともに三人とも退場。が、勿論すぐにアンコールが始まります。

 アンコール1曲目は、2曲目(曲名不明なのでこのような書き方になってしまいます)の「暴れたバージョン」。暴れたってどういう意味だろう…? と思いましたが、まさに文字通り、ピアノもギターもボーカルも皆さん暴れていました(笑)。楽譜も無かったので、恐らくほぼアドリブだったのでしょうか。これ2バージョンとも配信して欲しいなぁ…! すっごく気に入ってしまいました。

 アンコール2曲目。本当に最後の曲です、というMinaさんの言葉の後に流れてきたのは…FF13の「Choose to Fight」! FF13サントラ公式サイトのcomposer's commentで浜渦さんが“この曲でライブしたいなぁ…”と書かれているのを見て以来、この曲を聴く時はいつも脳内で生演奏の光景を妄想していたのですが、まさか現実になるとは…!
 この曲って、生楽器がいくつかとMinaさんのボーカル、クセのあるメロディ、そして浜渦さんご自身の編曲ということもあって、まさに「ザ・ハマウズ」な曲だと思います。その曲を会場いっぱいのファンの方々と一緒になって体験出来て、本当に幸せでした。
 それにしてもこの曲、ライブ限定アレンジだったのかもしれませんが、「足音のテーマ」入ってるんですね。凄いなぁ…!

 終演後は浜渦さん&Minaさんとサイン&写真撮影会です。会場ではIMERUATのCD(中身は配信版と同じものです)が販売されていて、殆どの方はそのCDにサインを書いて貰っていました。私も右に倣えでサインを頂くことに。

私「いつもIMERUATのブログ見てますー」
Minaさん「あーありがとうございます! もっと更新頻度上げていきます…!」
私「(ギクッ!)」

私「京都から来ましたーお疲れ様でした!」
浜渦さん「遠いところわざわざ…ありがとうございます」
私「twitterの関西の浜渦さんのファンの方々から、関西でぜひコンサートやって欲しいという意見がたくさん上がってますので、ぜひ…!」
浜渦さん「構想はあるんで、出来るようにがんばります!」

*サイン会会場では隅っこの方でベンヤミン・ヌスさんが普通にビールを飲んでいました(笑)。

 ゲームやCDから聴ける曲が全てだった頃と比べると、今はコンサートやライブ、USTREAM、YouTube、twitter、Facebookなど、浜渦さんやIMERUATと接する機会が格段に増えました。それに伴って、同じ浜渦さんのファンの方とも知り合える機会もまた増えたと思います。こうした機会を作って下さった浜渦さん、Minaさん、田部井さん、MONOMUSIKスタッフの方、今回のライブに関わられた方々皆さんに大感謝です…!

セットリスト
01. タイトル不明
02. タイトル不明
03. MC(Minaさん)
04. タイトル不明(ムックリを使った曲)
05. MC(全員)
06. ヤシャス山
07. MC(浜渦さん、田部井さん)
08. Cirotto(Minaさんソロ、トンコリ演奏)
09. タイトル不明(浜渦さん&田部井さん連弾、日本語歌詞)
10. タイトル不明
11. タイトル不明
12. IMERUAT
13. 2曲目の暴れたバージョン(アンコール)
14. Choose to Fight(アンコール)

ステッカーとサイン入りCD

(2011年8月3日 記)

End of Documents.